[大人の成長塾]卒論 #3
「ビジネスマンの[大人の成長塾]卒論」
きりん さん
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- ここ2年ほどビジネス&自己啓発系のある有料メルマガを購読している。
読者同士の交流欄もあるが投稿したことはない。
その場所での常套句は「なりたい自分になれていますか」である。
20代~40代が読者層の大多数を占め推察だが女性の方が少し多いのではと思われる。
私にとってこのメルマガはたまに経済や金融の有益(とおもわれる?)な情報を得られることもあるので継続しているのにすぎない。
「なりたい自分になれていますか」
以前からずっとこのフレーズに違和感を抱いていた。
合わない服を着せられているような感覚とでも言えばいいのだろうか。
‘なりたい自分’? なりたかったのは白バイ隊員、夢破れ30年以上のオヤジにこのフレーズは、‘なんやねん’いつもこうひとりツッコミを入れている。
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- 「なりたい自分になれていますか」この媒体はこれを繰り返し、起業、投資の成功、キャリアアップによる収入アップを呼びかける。昨今は独りでは勝てない時代である、だからということで仲間がいる上のクラスへ勧誘するのだが…う~ん…そんなものかな、と毎回他人事でながめている。
(どういう風に人心を煽ったり、掬うのかという仕事上の興味だけで見ているだけだが。)
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- あれも必要、これも必要、〇〇を目指すならこれは必携、ゲップが出そうなほどお腹に詰め込まなければならないようだ。そんなものだろうか。でも人生の指針がまだ定まっていない人、現状をなんとか変えたいと望む人からすると確かに引き付けられるモノがあるかもしれない。
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- しかし「大人の成長塾」で学び始めてみて、違和感の正体に気づかされた。
上記は全て足し算なのだ(と個人的に解釈)。持てる以上に武器を身にまとおうとする。
自由どころかガンガラじめで、その重さで動けないではないか。ときたまその月のテーマに流行りの断捨離をテーマに据え置くこともあるが、衣食住が主な生活空間のことで終始している。
(よくそれだけモノ買うよな、とここでも一人ツッコミ)
私にとって本当に学ぶのはここではナイなと感じていた矢先に出会ったのが「大人の成長塾」である。
まず‘細胞の一致’にビッと反応した。ちょうどタイミング的に病に襲われた後だっただけに、‘どんな時も身体の方が正しい’もズーンと腑に落ちた。
小手先の処世術をコーチングする講座よりも、もっと生命的と言おうか、生物学的と言ったら的を得るのか、とにかく命の根幹から成長できるそんなコンテンツを模索していただけに、‘オイオイ、これドンピシャかも’とニンマリする自分もいた。
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- 独りで書物を紐解き、あちこち迷走しながらこれだけのコンテンツをまとうようになるには多分、残りの人生全て費やしてもモノにできるかどうか。それがたった1年で完結する。
ただその分、ギュッと圧縮されているだけにエキスは濃い。解凍しても元が濃いので私のフィルターでは濾せず濾過器のフチにこびりついたままのことも時にはあるが、これはまあ徐々にモノにしていくつもりだ。
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- 入塾前の意識は、立体化、多層化とはほど遠い一次的で平面な世界でしかモノを捉えていなかった。
日本人独特の同調圧力にも平然と取り込まれていたが、現在はカラダの声を何よりも優先している。
何となくしっくりこない、そういう時は(ビジネス上の)社会通念からはみ出さない範囲で、そっと離れることができている。
多少なりとも多層化してモノを見ることができてきているせいか図書館でのカテゴリー外しの斜め読みが楽しくて仕方がない。
プラトンから世阿弥、ジミ・ヘンドリックスの生涯、クラシックバレエ入門、週刊新潮、ファーブルの昆虫記etc
今月はとにかく時間がないので出来ていないが。そう、やるべきこと、やりたいことが多くてとにかく時間が足りない。
地図を拡げていけるので独りでいくらでも楽しめる。
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- 拡げた地図の中で最近ギターを復活した。ROCKを演っていた学生時代以降だからブランク約30年。
いずれはセッションに参加しアドリブを自在に弾きこなしたいという想いもありキチッと理論からということで、バークレイ(音楽院)卒であるプロのjazzギタリストの元に通いだした。
そのJazzギタリストを選んだ理由は、レッスンにはバークレイのメソッドを使うということからだ。
どうしても押さえる指ポジションに気持ちがいってしまうスケール練習だが、師匠は押さえるフレット上の音を声に出すことを厳しく言う。
ポジションよりも自分の弾いている音を声に出しながら、足で取るリズムに乗せること。
(これもまた私は、ギターを始めた高校生の頃から英語表記(C、D、E)で覚えてしまっている、師匠はイタリア語すなわちドレミファで言えという、この変換に苦労している。
そういえば成長塾でドレミファを発明(?)発見(?)したのはピタゴタスとあったが、そのあたりもじっくり調べたい。)
とにかくとんでもなく苦労している。指が動いても声が出ない。歯がゆさ満点。
だがこの厳しさが楽しい。
開墾していない未開地に鍬を入れている感じ。ボコボコとこぶし大の石に邪魔されたりして進みはのろいが、もがいているうちに僅かながらできてくると…
…頭の中の音(まだフレーズの前の段階の単音)とポジションのノートがシンクロし、合致する音が指先から立ち上がってくる感覚がおぼろげながら掴めてきている。回路の開墾だ。
道は遠いがこれがバンド全体でできるようになったら…。先が楽しみだ。
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- jazzの原曲の楽譜はA4の紙1枚でこと足りる。それがカルテットあたりになると演奏時間が平気で10分とかになってしまう。
それはコードを回してそれぞれの楽器がアドリブを取っているからなのだが、これこそ立体化の極みではないだろうか。
ソロを奏でる楽器の背後でそれぞれのパートがバッキングを刻む。その中でもお互いの牽制が絡みあう。
脳内ドーピングの増殖を味わえるだろう。理論はやっていると全て繋がる時がある、と師匠が言うが多層化の概念を学んでいなければ、挫折していたかもしれない。
飛躍すると演奏時間、プレイヤーの数では圧倒的なオーケストラの指揮者などは快楽の極致ではないだろうか、と想像する。
こういう意識が宿ってきたこと自体わずかながらながら成長を感じる。
心に残った内容-秘伝全てだが特に-
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- ☆自然体 全細胞の一致 30億年と言う時間をかけて単細胞から多細胞に進化したかった。
- ☆小さく動き続けろ 好きなものににじりよっていくというイメージ
- ☆ヴィジョンを持つ
- ☆思うことは行動
- ☆空虚の価値
- ☆十牛図 悟り
- ☆自分は他人である
- ☆センタリング GOLFの比喩
- ☆自分の地図
- ☆地図の融合
- ☆直感 直観 啓示 ふっ、と浮かんだことを大事にする
- ☆立体性と多層性
- ☆鏡(かがみ)から我(が)を取ると神(かみ)
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- 今年、宇多田ヒカルが復活した。出産を経験してカムバックした彼女が、インタビューでハッとするようなことを言っていた。
「自分が記憶していない幼少の頃を自分の子供を通して垣間見ることができる。これって凄いこと」
成長塾にもあったが、成長とともに我が形成され自分と他の区別が明確になってくる。
先週大分県佐伯市で親と祖母が畑で作業中に2歳の女児が行方不明になる事件があった。
(たまたま大分に私がいた、大騒ぎだった)
翌日に2km離れた山中で無事発見され、胸をなで終えたところだが意外だったのは発見された女児が泣きわめくこともなくきょとん(冷静だった)としていたことだ。偶然にも厳しい気候条件でなかったことが幸いだったのだが、それ以上に地元ではどうやって精神上の恐怖に耐えたのかということに論点が向かっている。
私は、2歳児であるということからもまだ自我が出来上がっておらず意外に十牛図でいうところの人牛倶忘のような自分と自然の境がない状態、体温という生命維持装置の導くまま今の生を維持するということだけに細胞が100%結集していたのではないだろうか、と考えている。
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- 単細胞から多細胞への進化が可能だった生命の推進力を我々は受け継いでいる。
一度きりの人生ならこれを発揮させない手はない。
より良く生きるためにも大人の成長塾で1年間学べてよかったと思っている。
どう生かすかは、受け手次第だ。
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●いまのあなたの成長力を測ります